前回の続き。
山梨県甲府市にお住いのA様から、ポルシェ 911(930)のシート修理依頼です。
先に、クリーニングと後席サイドパネルのリペアを終わらせたので、いよいよ高難易度のパイピング修理。
(before)
パイピングが裂けて芯材が欠損しています。
非常に厄介ですね。
座面に近いヶ所から肩の辺りまでダメージがあります。
本来は、表皮を剥してパイピングのみ新品を作って縫製する方法がベストなんですが、年式が古いので内部ウレタンのダメージを考慮すると剥すのは危険です。
また、A様のご要望も出来るだけオリジナルを保てる修理方法をとの事。
そこで、耐久性や仕上がり品質には予めご了承いただきリペアによる修理を行う事になりました。
クリーニングします。
マスキングして、下地を整えます。
心材を引っ張り所定の位置にする為、破れた穴に入れていきます。
先端がほつれない様にマスキングテープで巻きました。
内部で心材が動かない様に接着剤で固定させます。
次に、事前に用意しておいた心材を長さを合わせてカットして、足りない部分に入れておきます。
芯を入れ終わったら今度は表皮の欠損部分に、同じく事前に用意した合皮をあてがい接着。
こんな小道具を使って、合皮に適したレザーパテを充填します。
塗装の為のマスキングもOKです。
時間的にかなり厳しいので、お昼抜きで作業を続けていましたが、A様が差し入れを!感謝です!
ありがたくささっと食べて再開。
塗装しながら最終調整。
(after)
先ず先ずの出来です。
補修痕は残りますが、オリジナル感は保てました。
A様にご確認いただき喜んでいただきました。
購入時からの悩みだったようで、ディーラーや何軒もの修理業者に相談したものの断られていたそうです。
仕上がりも、予想していたより綺麗だったようでご満足いただけました。
非常に難しい案件でしたが、頑張った甲斐がありました(^O^)
初めてのパーキングで休憩して帰宅。
当店は、出張専門です、遠方でもご自宅まで伺い施工を承ります。(出張費は距離により異なります)